高齢化が進んだ現代、お口の健康を保つことの重要性が見直され始めています。「噛む」「飲み込む」「話す」「笑う」「呼吸する」といった当たり前の生活を送り、心身ともに生涯健康に過ごすためには、口腔内の治療だけでなく、医療・看護・介護・リハビリテーションとの支援ネットワークで、高齢患者の治療とその管理を行う必要があります。
口腔機能を守る地域ネットワークを構築するため、関連機関と共に、地域包括ケアへの参画を募るプロジェクトが発足しました。医科歯科連携を考え、“地域完結型”の医療を目指し、高齢者医療に取り組んでまいります。
〈 地域一体で提供される環境づくり 〉
老健施設
介護施設
医療機関
訪問看護
ステーション
生活支援施設
行政施設
食事は日常生活の楽しみであり、生きるために必要な行為です。加齢が進み、口腔機能の疾患で十分に食事ができなくなることで、口腔機能低下症や摂食嚥下障害を引き起こし、低栄養や誤嚥性肺炎になりやすくなります。
オーラルフレイル(口腔機能の衰え)から全身のフレイル(身体の衰え)を引き起こさないために、症状を早期発見し、口腔機能低下症を総合的に管理することが重要です。
私たちは、口腔ケアと口腔機能管理の2つを中心に、日頃から口腔内の清潔な状態を維持し、健康的に噛んで飲み込めるように、口腔機能を整えていきます。
※ 歯周病による
滋賀医科大学では、リハビリ・栄養管理・口腔機能管理・口腔ケアを一体運用し、
治療とその評価を体系化したチーム医療を行なっています。
地域包括ケアシステムの中で、医療機関同士で患者様情報の共有と連携を行い、医療、介護、予防、生活支援が一元的かつ継続的に提供される体制を実現します。
口腔機能外来、口腔ケアシステム、摂食嚥下支援、栄養支援の体系的な医療体制を整え、外来・入院患者様の包括的な口腔管理を行う。
かかりつけ医院がない患者様が、条件に合った歯科医院を受診できるように、将来的にオンラインでの歯科医院検索機能を滋賀医科大学内に確保。退院時のカンファレンスにも用いることで、地域医療機関と連携した医療体制を実現させる。
科学的根拠に基づいた介護の確立やリハビリテーションの効果向上、栄養状態の可視化が実現し、各看護・介護分野における効果的な自立支援、重度化予防につながることが期待できる。
ICTを活用し、患者情報を
一元管理・継続的に把握
医療機関をはじめとする
関係機関との連携強化
患者情報のデータベースの構築
エビデンスに基づく医療・介護の実施
患者データベースによる
科学的根拠に裏付けされた
医療・介護の確立
かかりつけ歯科医院
オンライン検索システム
メディマップの活用
患者様のための医療ネットワークビジョン(高齢者医療の情報共有とかかりつけ医院連携制度)の実現のため、滋賀県内の問題解決を行い、地域かかりつけ医院と各関連機関の間で職種の垣根を越えて連携する在宅医療サービスを推進します。
加えて、医療情報のデジタル共有を通した健康サポートを事業として展開し、高齢者の口腔機能低下症に対し、地域一丸となって取り組む体制を整えることを目指します。